第3回 メロディー・ファースト

2016年10月19日


 


  
 
こんにちは、作曲家の望月将宏( @receptorjp )です。

 
作曲家仲間で話をする時に、しばしば話題に上るのが、「 歌モノの曲を作る時、まず最初に何をするか」です。
  
あ、最初と言っても、「お茶を飲んでから」とか、「アルコールが入ってから」とかそういう話ではないですよ。まぁ、僕はお茶がないとダメなんですが(いずれ語るかも)。

一般的に、曲を作る時に最初にやることとは?

 
最初にやることは、大抵、次の3つのどれかではないでしょうか? 

  1. メロディーを作る
  2. 歌詞を作る
  3. オケを作る


勿論、「ケースバイケース」ということになると思います。僕も全部の方法を経験済みです。同時に並行して作る場合もあるでしょう。が、それでも何を最初にやるか、ある程度決めている人が多いようです。 

主張したいことを元に曲を作るなら、歌詞を先に作るのが良い場合もあるでしょう。

ある特定のジャンルらしさを第一にしたければ、定番のフレーズやコード進行でオケを先に作ってしまうのが良い場合もあると思います。
 
でも、僕は普段、ほとんどの場合「メロディーを先に作る」の方法で作っています。これは作曲を始めた子供の頃からずっとそうです。


どうしてメロディーを先に作るのか?


なぜかって?

それは、「鼻歌になっても残る要素だから」です。

日常のふとしたタイミングで、知っている曲のワンフレーズをふと口ずさんでしまうことってありませんか?

皿洗いをしながら、掃除機をかけながら、とか。ミュージシャンかどうかに関係なく、誰にだって普通にありますよね。
でも、その時に、ステージやカラオケのように全力で歌う人ってあまりいないと思うんです(いや、いてもいいけどw)。

口から自然と出てくるワンフレーズって、他の人に聞かれるのがちょっと恥ずかしいから、鼻歌になることが多くないですか?
 
そして、意識的に音楽を聴いたりするのとは異なり、無意識のうちに自然と出てくるのが鼻歌だとすれば「メロディー」「歌詞」「オケ」の中で日常と一番結びついているものって、メロディーなんじゃないかな、と。じゃあ、メロディーを最初にじっくり作ろう、と。

なので、作曲の時はピアノ系の音だけ鳴るようにしておき、右手でメロ、左手で簡単な伴奏、程度の状態で、思いついたものをLogicにどんどん録音していきつつ、練りこんでいきます。

派手なオケも主張する歌詞もない分、素直にメロディーの良し悪しだけを判断できるのが、この方法の最大の利点です。


あれ?今回はシンセネタじゃないの??

 
「シンセ好きだとあれほど言っておきながら、シンセ関係なくピアノ一本かよ!」と、思うかもしれません。でも、ピアノ一本でもシンセを使う意味があるんです。

「あるシンセのピアノでしばらくメロディーを作ってみたけれど、どうも良い感じにならない」という時は、どうしてもあります。ただ、そんな時でも「別のシンセのピアノで弾き始めたらすぐに良いメロディーが浮かぶ」ということが結構あるんです。

その時の自分の気持ちにあった鍵盤や音であればあるほど、良いメロディーを思いつきやすいのかな、と思うことがあります。

そのため、作曲段階でもハードシンセ・ソフトシンセ両方で、ピアノ系の音をできるだけたくさん立ち上げておいて、気分にあった音で作曲できるようにしています。


いずれにしても、僕の作曲方法は基本的に「メロディー・ファースト」です。


望月将宏

作曲家・編曲家・キーボード奏者
J-POP・アニメ・アイドル・演歌など歌もの楽曲の制作から、展示会用音楽やゲーム用音楽などインスト楽曲の制作まで幅広く行っている。また、シンセサイザーでの音作りが得意であることを活かし、シンセサイザーのプリセット制作やサンプリング音源制作にも参加する。