MATERIALS / 音素材

Apple社コマンドラインツールafclip用Dropletについて

2016年10月12日


かなり前の話題ですが、Apple社が公開しているApple Audio Mastering Tools外部サイトへ)をご存知でしょうか?iTunesでの配信用に提供されているツール群なのですが、2012年3月5日の藤本健氏のコラム外部サイトへ)によれば、以下の4つのツール類が同梱されています。
 

Master for iTunes Droplet:作成されたマスターを迅速かつ簡単にiTunes Plusフォーマットへとエンコードする、シンプルなスタンドアローンのドラッグ&ドロップツール
afconvert:マスターをiTunes Plusフォーマットにエンコードするコマンドライン・ユーティリティ
afclip:あらゆるオーディオファイルのクリッピングをチェックするコマンドライン・ユーティリティ
AURoundTripAAC Audio Unit:iTunes Plusファイルとオリジナルファイルを比較してクリッピングをチェックするツール

 
どれもなかなか便利そうだと思いませんか?個人的にはafclipが特に便利そうだと思ったんです。特定の環境でしか気にならないようなクリップがあるか、それに対処すべきか、考えるきっかけになりますから。インターサンプルクリッピングも検出できます。こんな便利なものを無償公開してくれるなんて、ホントApple社様様です。
しかしですね…

問題意識:コマンドラインツールだと面倒で使いにくい。

 
僕はコンピュータギークに近いところもあるので構わないといえば構わないのですが、1曲作るごとにターミナルを立ち上げて、楽曲の2-mixを保存したフォルダへlsコマンドで移動し、
 

afclip -x hogehoge.wav

と入れてターミナル上で「この曲はクリップしているところがあるなぁ」と調べる人が、このご時世に実際どれだけいるのだろうかと。
結果もターミナル上にこうやって出るわけですが…。

やっぱ面倒ですよねぇ…
 

改善案:Dropletを用いて起動と結果閲覧をマウス操作だけでできるようにする。


そこで、afclipをターミナルを使わなくても動かせるようにするためのDropletを、OSX付属のAutomatorで作ってみました(ダウンロードリンクは説明の後にあります)。Apple Audio Mastering Tools外部サイトへ)を事前にインストールしてあれば、以下の手順で簡単に使えるはずです。
  


1.Dropletアイコンに音源ファイルをドラッグアンドドロップする。 

 
wav・mp3・aac(m4a)形式などに対応しているようです。

このDropletをOSXのDockに入れておくと、更に便利だと思います。
 

動作中はOSXのメニューバー(時計などの表示されている画面一番上の領域)に歯車が表示されます。
 
歯車が消えるまで待ちましょう。5分くらいの曲なら、数10秒程度で解析が終わります。
 

 

2.音源と同じフォルダに結果の書かれたテキストファイルが保存される。 

 
音源の置いてあるフォルダ(Dropletの置いてあるフォルダではなく)に、結果の書かれたテキストファイルが作成されます。音源と同じファイル名なので、たくさんの曲が入ったフォルダ内に曲があっても探しやすいと思います。

これをダブルクリックすると、OSX標準のテキストエディットで閲覧することができます。

ちなみに、 一つの音源に対して何度もこのDropletを追記することを想定し、テキストファイルには、結果を上書きではなく追記するようにしてあります。結果を見てミックスやマスタリングを修正し再びチェックし、更に修正し…というようにPDCAサイクルを回すことができます。

ねっ?簡単でしょ?


このDropletのソースコードは以下です。音源の置いてあるディレクトリに音源名を元にしたテキストファイルを生成し、日付とafclipの結果をリダイレクトで追記しているだけの、非常にシンプルなプログラムです。
 

for fi in "$@";do
fi="$@"

#カレントディレクトリを設定
current=${fi%/*}

#出力ディレクトリをカレントディレクトリに設定
cd ${current}

#出力ファイル名を決定。まずは拡張子なしのファイル名を。
fo=${fi%.*}

#出力ファイル名を決定。拡張子.txtを追加。
fo=${fo}.txt

#日付をファイル出力
echo "======================================">>"$fo"
date >>"$fo"

#入力ファイルに対しafclipを実行し、結果をテキスト出力
/usr/local/bin/afclip -x "$fi" >> "$fo"
echo "======================================">>"$fo"

done

 
 
 

 ダウンロードはこちら

afclip Dropletをダウンロードする(1.6MB)


 DropletをダウンロードしてもDroplet単体では動作しません。 必ず、以下のページから、Apple Audio Mastering Toolsをインストールしてからご使用ください。

Apple Audio Mastering Toolsの解説とダウンロードのページ(外部サイトへ)

 
*ご利用は自己責任にてお願いいたします。万が一、なんらかのファイルが消えるなどの深刻なバグを含むバグがあったとしても、当方は一切責任を負いません。
*無断転載はお断りしています。
*私的利用の範囲内でのご利用を想定しています。
 
*afclipを含むApple Audio Mastering Toolsの著作権はApple社にあるため、afclip自体の再配布はこちらで行っていません。Dropletはあくまでもafclipを呼び出すだけのものです。しかし、万が一、著作権的に問題があるということでしたら、即座にDropletを削除いたします。
*その場合は、お手数をお掛けいたしますが、サイト最下部のCONTACT ME(問い合わせフォーム)からご一報いただけますよう、お願い申し上げます。 
 
*エラー処理をしていないので、不具合に対処しきれていない可能性があります。特に、想定外の操作をした場合にどのようなことが起こるかはわかりません。

*OSX(というかUNIX系OS)の仕様上、OSのバージョンが異なればコンパイラのバージョンが異なるのは当たり前のことで、旧OS用のアプリが新OS上で動くことは保証されていません(偶然動くことが結構ある、というだけです)。

*一応、当方ではYosemiteとEl Capitanにて動作することを確認しました。



望月将宏

作曲家・編曲家・キーボード奏者
J-POP・アニメ・アイドル・演歌など歌もの楽曲の制作から、展示会用音楽やゲーム用音楽などインスト楽曲の制作まで幅広く行っている。また、シンセサイザーでの音作りが得意であることを活かし、シンセサイザーのプリセット制作やサンプリング音源制作にも参加する。